カテゴリ
リンク
読書メーター
読んだ本の感想は主にこちらに掲載することにしました。 以前の記事
最新のコメント
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2008年 11月 29日
ひょんなことから演出家の明神慈さんを知り
彼女がどんな劇を創っているのか見てみたくなり 昨日、三軒茶屋のシアタートラムに行ってきました。 「鳥のまなざし」ポかリン記憶舎 劇場の中央に置かれた四角形の舞台。 土俵のような台形になっていて その周りを観客が囲んで観るような作り。 そこに、部屋着のような軽装の役者さんが一人二人現れ 舞台の縁のさまざまな場所で眠りにつきます。 パンフレットに書かれた「甘美なとき・・・」 公演情報には「観客を半睡ぎりぎりの快楽へと誘う」と・・・ これは眠くなるかも・・・というのが第一印象でした。 やがて、眠りに着いた人々に囲まれた舞台の上で 二つの別々の物語が始まります。 帰るべき場所を失ってしまった男と 行くべき目的地が見つからない女。 そして、彼らをめぐる人々として 縁で眠りについていた人々が突然登場人物として中央の劇に参加し また縁に戻って眠りに着くという不思議な演劇。 まるで夢を見ているような不思議な、理不尽な物語の展開。 けれども、私たちが夢を見ているとき 夢だと気づいているわけではありません。 おかしい、おかしいと思いながら、寝汗をかいて 必死になって夢の中でもがいていることがよくあります。 そうしたときのように、劇の進行に引きづられ 眠くなるどころか緊張感を持って舞台を観ていました。 夢と現実。生と死。あちらとこちら。 二つの世界が交じり合うというより、どちらともいえない世界で 男と女は戸惑い、喪失感にさいなまれながら それぞれの自分を探します。 「人間は本能の壊れた動物であり、すべて幻想の中で生きている」 と言ったのは岸田秀氏ですが、記憶もまた幻想であり その幻想が、ほんの少し他の人たちとずれただけで まったく違った世界に迷い込んでしまうのかもしれません。 舞台道具も何もない四角い舞台で 特別な舞台衣装を着ない役者が次々に絡み合って さまざまな記憶と想像の世界に観客をいざなう世界。 とても面白い舞台でした。 鳥のように俯瞰はできず、展開する話の中でさまよっていましたが・・・
by noririn_papa
| 2008-11-29 20:17
| 映画・演劇
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||