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2008年 06月 13日
偶然、書店で見つけた一色伸幸さんの本
「うつから帰って参りました」(アスコム、2007年発行)。 知りませんでした。一色さんがうつ病だったなんて。 一色さんを知ったのは1987年の大ヒット映画 「私をスキーに連れてって」(ホイチョイプロダクション)。 私が1シーズンに映画館で同じ映画を2回観たのは この映画だけではないでしょうか。 そのくらい当時はまった映画で、その脚本家として さん然と輝きを放っていたのが一色伸幸さんでした。 テンポのよい会話。しゃれたセリフ。 車でスキーに行くときは、とりあえずユーミンのカセットを カーオーディオにセットしたものです。 一色さんは、その後も「彼女が水着にきがえたら」 「波の数だけ抱きしめて」とホイチョイとともにヒット作を続け 他にも「病院へ行こう」「七人のおたく」などでも 涙と笑いにあふれたセリフで魅了させてくれました。 ところが、「病院へ行こう2」で、死を笑いにすることに挑戦してから 少しずつ変調を来たしはじめ また、ヒット作を続けていくことへのプレッシャーや 締め切りを守る律儀な性格もあいまって 睡眠薬を多用するようになっていったそうです。 この本は、時おり彼のヒット作の中のセリフを散りばめながら 当時の心境や製作の舞台裏を物語りつつ うつ病へと進んでいく体と、それから回復するまでの道のりを ユーモアで包みながら描いています。 そしてこれは、彼がうつ病から回復する大きな支えとなった 妻へのラブレターでもあるようです。 夫を大きな心で支える妻に「大地」という言葉を思い 「身体が大きいとか、顔の面積が広いとかじゃない」と照れながら 「派手さは微塵もないが、春夏秋冬、揺るがない」強さを認めています。 しかし、病気の回復とともに本当の幸せが訪れたとき その妻が泣き崩れる姿を見て 今までの強さが彼女の踏ん張りであったことを知るのです。 彼はそんな妻に、トレンディドラマのような気の効いたセリフを 口にすることができるのでしょうか。 うつ病は「心の病」や「気持ちの問題」ではありません。 心臓や胃が病気になるように、脳神経が病気になっているのです。 周りの人は、それを理解して欲しいと 病気を経験した人として、一色さんは訴えています。
by noririn_papa
| 2008-06-13 23:16
| 小説・本
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