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2007年 10月 21日
実は最近、早朝、2~3キロの距離を走っています。
ほんの出来心から、来年2月の東京マラソン(10キロコース)に 応募したのがきっかけですが、とにかく少し走ってます。 なぜ、こんな言い方をするのかと言えば あまり昔の私を知らない人からすれば 「健康的ですねえ」「がんばってますねえ」程度の話なのですが 昔を知っている人から見れば、「はぁっ??」と 首を傾げ、冗談でしょうというくらいの話なのです。 思えば、努力・根性・忍耐が嫌いで 口は出すけど他人任せ。 生まれ変わるなら、大きな家の (できればきれいな女性のいる家がよいのですが) その窓辺の陽だまりでうたた寝をする猫になりたいと 思うほどの、怠惰な人間だったわけです。 それが早朝マラソンです。 自分としても口に出すのが恥ずかしく 「健康のため」とか「マラソン大会のため」などという まっとうな理由以外に 今までの私というアイデンティティと 少しは一致する程度の言い訳がほしいと思っていました。 そんなときに見つけたのが、村上春樹さんの新作 「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋社)です。 おかしな比喩を使った軽妙な文体と、男女の微妙な関係と、アナザーワールド。 そんな不思議で魅力的な小説を書く村上さんは マラソンやトライアスロンに参加するほどの、走る小説家です。 「小説を書くということは、即ち不健康な行為であり 作家たるものは公序良俗から遠く離れたところで できるだけ健全ならざる生活を送らなければならない」 という、芸術イコール反社会的な意味を持つという通念が 存在すると村上さんは言います。 そして、村上さんは小説を書く行為には 確かに毒素が必要であることを認めています。 しかし、だからこそ、その毒素に対抗できる 強い自己免疫システムが必要であり 彼にとって、それが走ることなのだというのです。 なるほど。創造という過程で必要な毒素に対抗する・・・ 悪くない理由です。 勝ち負けよりも個人的な達成感がいい、 一人の時間が好きで、空白を獲得するために走る、 これらも、まったく悪くない考えです。 そんな走ることの楽しさと、走る理由、 そして村上さんが小説を書くきっかけと方法が少しわかる、 そんな本です。 さて、私はなぜ走っているのでしょう。 とりあえず今、それが楽しくなりそうなオプションだから? 少なくとも今あるズボンの寸法は維持できそうなので家計が助かる。 やれやれ。
by noririn_papa
| 2007-10-21 19:19
| 小説・本
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