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2018年 08月 17日
映画「万引き家族」是枝裕和監督。 遅ればせながら、ようやく観ました。 近所の映画館では上映最終日でした(笑)。 以下、感想を。 薄暗い部屋で貧しく寄り添う画面は、映画「誰も知らない」を彷彿させるようで、じっと見つめる少年の瞳もどこか柳楽優弥に似ています。いつも是枝監督の映画に出てくる子役は真摯で、映画のすべてを担い、純粋な視線となります。 物語は淡々とエピソードを重ねながら、家族のように見えた人々に血の繋がりのないことが明らかにしていきます。 前半は家族の情景をアルバムのように映し出し、後半はまるでドキュメンタリー映画のように、一人ひとりの独白によって、秘めた過去や思いが綴られます。 住む家は貧しく汚いけれど、人々は力強く、笑いながら暮らしています。まるで本当の家族のように。 小さな庭の縁側から屋根越しに夜空を見上げるシーンや、眩しい陽射しの中、海岸で戯れる家族の光景は、血の繋がりを超えて美しい。どこか「ペーパームーン」のようでもありました。信じれば紙のお月様も本物になる♪ そして、少年が古い国語の教科書に載っている「スイミー」を朗読するシーンでは、わが家でも昔、子どもが朗読の練習をしていたことを思い出してしまいました。 ただ、映画だけでは説明不足でわからない部分も多くありました(もしかすると細かい部分やセリフを見落としていたのかもしれません)。「そして父になる」の時もそうでしたが、同時に刊行される監督の同名小説で説明が補完されるようなところがあるのは、ちょっとずるいような。もちろん、きっと監督は、わからない部分はそのままでかまわない、映画は映画、小説は小説、と言われるのでしょうけれどですから、こちらも意地で小説は読みません。ちょっと立ち読みするかもしれませんが(笑)。 (以下、ネタバレ) 是枝監督は、この映画で「家族」というものへの形や、現代社会の問題を次々に問いかけてきます。 ただ、公的機関が介在しながら、なぜ虐待されていた少女を親元に戻したのか。捜索願を出さなかった親の不自然さや過去の虐待に気づかないのは、あまりに不自然すぎます。もし是枝監督があえてここに現代社会のシステムの限界を描こうとしたのならば、あまりに少女が悲しすぎます。いや、彼女の未来を変えるのは観ているあなた方だと言っているのかもしれません。
by noririn_papa
| 2018-08-17 19:48
| 映画・演劇
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