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2017年 11月 17日
本のタイトル「たゆたえども沈まず」はパリ市の標語だそうです。今まで知りませんでしたが、なんて秀逸なやまと言葉の訳なんでしょう。 ゴッホが当時、そのパリで実際に日本人と交流があったかどうかは不明ですが、浮世絵に感化され、日本を夢見たことはよく知られています。 まさに今、東京都美術館では「ゴッホ展〜巡りゆく日本の夢」、国立西洋美術館では「北斎とジャポニスム」展が開かれており、タイムリーというより、マハさんが仕掛けた小説と言ってもいいでしょう。 そして、その通りに乗せられて、私は本を読んだ後、これらの展覧会を観に行ってしまったわけです(笑) 遡ること半月ほど前、書道体験をした折、先生が「書」は線でなく面で書く、とおっしゃっていました。 筆と墨を使い面として書かれた文字は、見ても美しい、絵のような「書」として観賞されるものになったのです。。 一方で西洋ではペンが発達し、文字は線として記号として発展していきます。 さて、今回の展覧会で、浮世絵とそれに感化されたゴッホや印象派の西洋画を比較してみると、浮世絵は線画、西洋画は色を重ねた面で塗られています。 文字では日本が面、西洋が線、絵画では日本が線、西洋が面。 ちょっと面白くありませんか。 日本が筆で文字をたおやかに書くことによって、細い筆で細やかな線を自在に描くことができるようになり、それが浮世絵などにも影響しているのでしょうか。 そして西洋では、文字を書くものととしてペンが、色を塗るものとして筆がそれぞれ発展しました。 そう考えると、もしかしたら絵の構図もそれぞれの文字の書き方に似て、浮世絵は縦に(黒い木が画面を上下に分断して描かれたり、右上から左下への斜めの構図が多かったり)、西洋画は横に(水平な地平線、拡がる花々など)、なんてことを考えたり、浮世絵の描く対象や構図の斬新な切り口は、短歌や俳句のようであったりと、文化の違いを勝手に想像したりしてしまいます。 そして日本ではやがて、文字は「書」として文化となり、線画はマンガ文化としても花開いていきます。 日本のマンガは線とコマ割で動きを表現し、ディズニーなどのアニメはやはりセル(画面)そのものを動かすことで動きを表現している、という気がするのは私だけでしょうか。 さて、ゴッホですけれど、浮世絵や印象派、点描画などを取り入れつつ、太い線を塗り重ねて、強いような、優しいような、明るいような、不安なような、様々な絵を残していきます。 個人的にはやはり印象派の絵が好きなので、それに近い絵に惹かれますが。
by noririn_papa
| 2017-11-17 23:25
| 美術
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