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2017年 06月 22日
カムカムミニキーナ「狼狽」(池袋・東京芸術劇場)を観てきました。 ちなみに、カムカムはこれで3年目、3回目の観劇です。 おそらく想像するに、昨年、一昨年は割とわかりやすくて、今回のわかりにくさが一番カムカムらしいのかもしれません。 よくわかんないけど、面白いからまた観に行こうと思うか、こりゃ自分には合わないと思うか、けっこう評価がわかれそうな気がします。 ちなみに私は前者なのですが。 「狼狽」という文字を辞書で調べたら、二つの重なる狼が語源、このあたりから発想が始まって、狼と言えば赤頭巾ちゃん、狼少年ケン、子連れ狼は拝一刀と続く、われわれの年代的発想の連鎖が生んだと思われる登場人物とネーミング(これ、毎度おなじみのお楽しみ)。 そして狼を祀る神社は三峯神社でその由来は古事記の時代・・・と、これもまた恒例の日本古代ネタですが、まあ、こうしたダジャレも神話も、片っ端から詰め込んで、不条理な芝居の進行を笑いとフレームで強引に繋いでいきます。 そこから浮かび上がるのは狼狽という語源から始まる二元論。 自分と影、真理と嘘、虚と実、山と谷、表と裏、国家と村社会、生と死・・・ その中心になるのが、この劇団の主張ともいえる演劇の存在意義への問いかけ。 演劇の作り出す世界の中に演劇を組み込む(というより混ぜ入れる)二重構造と、そこから浮かび上がる現実社会と芝居のあいまいな境界線。ここにも不確かな二元論が存在します。 ふと思ったのは、古代から現代へと続く歴史の中で、国家権力や世俗と別に生きていた集団、いわゆる道々の者たちがいますが、カムカムミニキーナの演劇集団は、現代社会における道々の者を目指しているんじゃないか、そんな感じがしました。 (ちょっと何言ってるかわかんない!と、サンドウィッチマン風に自らツッコミをいれてみたりして 笑) 圧巻なのは、役者も小道具も一つになった舞台変化。 前回の襖で見せた空間の妙が、さらに進化して、まるで新体操のフープのように、集団で自在に四角いフレームを動かしながら、窓、ドア、林、コマ割?と舞台空間を創りあげていくのです。 このまま進化すると、究極の小道具のない芝居が出現するかもしれません(もちろん小道具を作る手間をはぶくためではありません 笑)。 今回は当世の流行りか、ミュージカルシーンまで登場。 人の動きもフレームも、スピーディーなのに美しく統一されています。そしてそれを崩す動きと笑いの間。うまいなあと感心してしまいました。 終わってみれば、よくわからないけど面白かったという感想で、きっとそれでいいんでしょうね。 こういうアングラ的でいて、エンターテイメントな演劇って、かなり好きです。
by noririn_papa
| 2017-06-22 22:55
| 映画・演劇
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