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2009年 03月 07日
中2の長男の今度の期末試験で、国語の範囲の中に
森鴎外の「高瀬舟」があると聞きました。 (鴎外の「鴎」の字の表記は正確ではありません) おいおい。「高瀬舟」のことを父に語らせたら、長いぞぉ。 もう、飛んで火にいるバカ息子、なのです。 はじめに、安楽死についてどう思うか、長男に聞いてみました。 長男は、「どんな理由でも人を殺してはいけない」と答えました。 なるほど、それはいい答えです。 「相手が自分の好きな人で、苦しんでいても、か? もう助からない状況だぞ」 という私の問いにも、「それでも、命を奪うのはよくない」と 答を変えませんでした。揺るがないのもいい感じです。 その後、長男に、鴎外がこの「高瀬舟」を書いた背景の話をしました。 鴎外が「高瀬舟」を執筆する8年前、彼の次男と長女が百日咳にかかり、 次男は死亡、長女も苦しみの中、あと24時間の命と宣告されます。 このとき、医師から「モルヒネを投与して楽に死なせたらどうか」 ともちかけられ、鴎外も妻もその気になったときでした。 たまたま見舞いに来た妻の父が、それを聞いて激怒したのです。 「人間には天から授かった命というものがある。 天命が自然に尽きるまではたとえどんなことがあろうと 生かしておかなければならない」といい、注射を取りやめさせました。 その後、長女は奇跡的に回復します。 その長女が故・森茉莉さんです。 (立川昭二「いのちの文化史」より) 「何、そんなに、くわしいわけ?」 きょとんとしている長男。 その昔、「安楽死」について調べたことがあったんだよ。ふっふっ。 「さあ、次は、安楽死と尊厳死の違いについてだが・・・」 「いや、も、もういいです」 ついに逃げ出した長男でありました。
by noririn_papa
| 2009-03-07 22:07
| 家族の話
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Comments(2)
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みや
at 2009-04-03 23:05
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私も昔初めて読んだ時から
「高瀬舟」と「最後の一句」は子供心に忘れられない本となりました。 すごく怖い本という印象です。 幼い日に祖母から話してもらった「安寿と厨子王」のお話と同じように。 「舞姫」もまた、とても怖いと思ってます。 漱石の小説には美しさを感じるけど 鴎外の文章は刃物のような怖さを感じます。
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noririn_papa at 2009-04-04 14:01
まさに「高瀬舟」と「最後の一句」が息子の試験範囲だったのですよぉ。
学校でもらったプリント、なくしたっていうから 私が本棚から鴎外の文庫本探し出して・・・ 漱石と鴎外、その文体の違いは イギリスとドイツという留学先の違いにもよるのかな・・・
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